美容師を辞めたい。でも、
この仕事自体は、好きなんです。
辞めたい気持ちと、好きな気持ち。正反対のふたつが、心の中で同時にある。その矛盾に、自分でも戸惑っていませんか。でも、その複雑な気持ちには、ちゃんと意味があります。
「辞めたい」と「好き」が同時にあるのは、おかしくない
もう辞めたい。毎朝、出勤前に気が重い。なのに、お客様の髪を触っている時間や、「ありがとう」と言われる瞬間は、確かに好き。——辞めたいのに、好き。この矛盾した気持ちを、誰にも説明できなくて、ひとりで抱えていませんか。
「好きなら続けられるはず」「辞めたいなら嫌いなんでしょ」——世の中は、気持ちを白か黒かで分けたがります。でも、人の心はそんなに単純ではありません。仕事のある部分は好きで、別の部分がつらい。それはごく自然なことです。
もしあなたがこの矛盾に苦しんでいるなら、この記事はあなたのために書きました。大事なのは、「辞めたい」の中身を、ていねいにほどいていくこと。それをすると、本当に手放すべきものが何なのかが、見えてきます。
よく聞く声
施術は好き。お客様も好き。でも、終わらない練習と、評価されないプレッシャーと、帰れない毎日に、もう限界。美容師を辞めるしかないのかな。でも、辞めたら後悔する気もする。
その「辞めたいけど後悔しそう」という感覚こそが、大切なヒントです。本当に嫌いなら、後悔なんてしません。あなたが手放したくないものが、ちゃんと残っている証拠なのです。
たとえば、人間関係が原因で会社を辞める人がいます。でもその人は、仕事の内容そのものは好きだったりします。「辞めたい」の理由が仕事の中身ではなく、別のところにある——これは、どんな職業でもよくあることです。美容師も、同じです。
「辞めたい」の正体を、分けて考えてみる
「辞めたい」とひとことで言っても、その中身はいくつもの要素が混ざっています。それを分けてみると、本当につらいものが何なのかが見えてきます。
「美容師の仕事」が嫌なのか、「今の働き方」が嫌なのか
ここが、いちばん大事な分かれ道です。あなたがつらいのは、美容師という仕事そのものでしょうか。それとも、カットの練習や長時間労働といった「今の働き方」でしょうか。多くの場合、嫌なのは後者です。仕事は好きなのに、働き方が合わない。それなら、辞めるべきは仕事ではなく、その働き方かもしれません。
何が、あなたを追い詰めているのか
少し冷静に、つらさの中身を書き出してみてください。たとえば——
- 営業後の終わらないカット練習が、体力的にも精神的にもつらい。
- スタイリストを目指すプレッシャーが、ずっと重くのしかかっている。
- 残業が多く、プライベートの時間がまったく取れない。
- 人間関係に気をつかいすぎて、心がすり減っている。
- 「向いていないのでは」という不安が、毎日つきまとう。
こうして並べてみると、気づくはずです。つらさの多くは、「美容師であること」ではなく、「今の環境」から来ているということに。
「業界を去る」と「職場を変える」は、まったく違う
ここで、ひとつ大事な区別をしておきましょう。「美容師を辞める」と言っても、ふたつの意味があります。美容業界そのものを去ることと、今の職場を変えることです。この2つは、まったく違います。多くの人が、つらさのあまり「業界ごと去る」ことを選んでしまいますが、本当に必要なのは「職場を変えること」だけだった、というケースは少なくありません。せっかく身につけた技術や、好きだった気持ちを、職場の問題のために全部捨ててしまうのは、もったいないのです。
「辞めたい」は、SOSのサインです。でもそのサインが指しているのは、必ずしも「美容師を辞めろ」ではありません。「今の働き方を変えていい」というサインかもしれないのです。まずは、何がつらいのかを正確に見極めることが大切です。
「好き」を手放す前に、知ってほしいこと
「もう無理だ」と思った時、人は手っ取り早く「全部辞める」という選択をしがちです。でも、ちょっと待ってください。あなたが「好き」と感じている部分まで、一緒に手放してしまっていいのでしょうか。
お客様に触れること、誰かをきれいにすること、感謝される喜び。それは、お金では買えない、あなたにとって大切なものです。「好き」と思える仕事に出会えることは、実はとても貴重です。それを、つらい環境のせいで丸ごと諦めてしまうのは、あまりにもったいない。
本当に必要なのは、「美容師を辞めること」ではなく、「好きな部分を残して、つらい部分を手放すこと」かもしれません。そして実は、それができる働き方が、今は存在しています。
考えてみてほしいこと
もし「カットの練習がなくて」「残業もなくて」「好きなケアの仕事だけに集中できる」職場があったら。あなたはそれでも、美容師を辞めたいと思うでしょうか。
「好きな部分だけ」を仕事にできる働き方がある
多くの人が美容師を辞めてしまうのは、「つらい部分」と「好きな部分」が分けられないと思い込んでいるからです。でも、本当は分けられます。
近年、カットをしない「専任アシスタント」という働き方を、正式なキャリアとして用意するサロンが増えてきました。ヘッドスパ、カラー、トリートメントといったケアの仕事に専念し、カットの練習や、スタイリストを目指すプレッシャーから解放される。残業もなく、好きな仕事だけに集中できる環境です。
「辞めたい理由」だけを手放せる環境が、あります。
・カットの練習がない → 営業が終わったら帰れる
・スタイリストを目指さなくていい → プレッシャーから解放される
・残業がない → プライベートの時間が戻ってくる
・ケアの専門職として → 「好き」な仕事に集中できる
こういう場所でなら、「辞めたい」と思っていた理由の多くが、消えていきます。残るのは、あなたが好きだった「美容師の仕事」そのもの。たとえば表参道のturn TOKYOは、まさにこの「好きな部分だけを仕事にできる専任アシスタント」を前提にしたサロンのひとつです。美容師を辞める前に、こうした働き方があることを、ぜひ知ってほしいのです。
「辞める」の前に、試せる選択肢
「もう辞める」と決める前に、いくつか試せることがあります。今いる場所がすべてではない、と知るだけで、心はずいぶん軽くなります。
働き方を変えてみる
同じ美容師でも、サロンによって働き方は驚くほど違います。「美容師=つらい」ではなく、「今の職場の働き方がつらい」だけかもしれません。専任アシスタントとして働ける職場に移るだけで、悩みの大半が解決することもあります。
「好き」を軸に、職場を選び直す
次の職場を探すなら、「何が嫌か」ではなく「何が好きか」を軸に選んでみてください。ヘッドスパが好きならヘッドスパに力を入れているサロンを、ケアが好きならケア専門のサロンを。好きを中心に据えると、働くことがまた楽しくなります。
ひとりで抱え込まない
つらい時、人は視野が狭くなります。「辞めるか、我慢するか」の二択しか見えなくなる。でも、選択肢は他にもあります。信頼できる人に話したり、別の働き方を実際に見に行ったりするだけで、新しい道が見えてくることがあります。まずは、話を聞きに行くだけでもいいのです。
「辞めたいけど好き」によくある質問
同じ悩みを抱える人から、よく聞かれることに答えます。
Q. 一度辞めたい気持ちが芽生えたら、もう続けない方がいい?
そんなことはありません。「辞めたい」は、心が「今のままは限界」と教えてくれているサインです。大事なのは、その気持ちを無視して我慢し続けないこと。環境を変えれば、また前向きに働けるようになることは、よくあります。気持ちが芽生えたこと自体は、悪いことではありません。
Q. 転職しても、また同じようにつらくなりませんか?
「何が嫌だったか」を明確にして、それがない職場を選べば、繰り返しません。カット練習がつらかったならカットのない職場を、残業がつらかったなら残業のない職場を。つらさの原因を特定して選び直すことが、同じ失敗を避けるコツです。
Q. 「好きな部分だけ」なんて、わがままじゃない?
わがままではありません。自分が得意で、好きなことに集中するのは、むしろお客様のためにもなります。嫌々やる仕事より、好きでやる仕事のほうが、質が上がるからです。好きを大切にすることは、プロとして正しい選択です。
あなたの「好き」を、大切にしてあげてください
最後に、いちばん伝えたいことを書きます。
「辞めたいけど、好き」という気持ちは、矛盾ではありません。それは、あなたが本当に大切にしたいものを、まだ手放していないという証拠です。その「好き」は、簡単に捨ててしまうには、あまりにもったいないものです。
つらいのは、あなたが弱いからでも、向いていないからでもありません。ただ、「好き」を活かせる環境に、まだ出会えていないだけかもしれない。だとしたら、辞める前にできることが、まだあります。
美容師を辞めるかどうかを決めるのは、つらさが限界に達した今ではなく、「好きな部分だけを仕事にできる場所」を知ったあとでも遅くありません。あなたのその「好き」を、どうか大切にしてあげてください。
専任アシスタントという働き方
「好き」だけを、残せる場所があります。
表参道の美容室 turn TOKYO は、ヘッドスパ・カラー・トリートメントを軸に、専任アシスタントとして働ける環境をつくっています。カットの練習も、スタイリストを目指すプレッシャーもありません。あなたが好きな「美容師の仕事」だけに、集中できます。
辞める前に、話を聞くだけでも大丈夫。急かしません。
「辞めたいけど、好き」。その気持ちは、きっと正しい。
あなたの「好き」を、これからも信じてあげてください。


